察知力/中村俊輔
自分のサッカー人生を振り返りながら、サッカーにおける察知する力を説明するという流れ。
たぶん口述だと思うんだが、その時期が去年の終わりから今年の初めぐらいまでのようで、CLについても、どちらかというとグループリーグの話が多く、バルサ戦についてはあまり触れられてない。代表についても、岡田ジャパンについての言及もない。
んでまあ、このひとはほんとにオタク的というか、サッカーこそすべてを地で行ってる人だなということがよくわかる。壁にぶつかってどうするか考えていることが好き、というある意味マゾヒスティックというか修行僧というか。そりゃスーパースターなサッカー選手はみんなそういうとこはあるだろうけど、プライベートのほとんどすべてもサッカーについて考えることに費やしている印象で、旅人中田さんのサッカー以外の部分のセレブっぷりとかとは、まったく正反対。レッジーナやセルティックでも、「サッカーに必要だから」チームメイトと必死に交流した、っていう記述があって、これはまあ、向こうに行った日本人選手なら普通だと思うけど、「馴染めるようになったら言い訳考えて練習を優先するようした。チームメイトも分かってくれるようなった」って...もうなんというか、パブリックイメージのまんま。そういえばこの人のCMはサッカーしてるところばっかりで、車運転したりしないね(w。
で、代表については、トルシェについては悔しかったけど、それでも左をやらされたことには必要なことだったと肯定的に捉えてる。ジーコについては非常に信頼されていて、これは同じ名選手だったストラカンと同じである、ということを言ってる。んで、面白いのが、オシムについての記述が非常に多い点。曰くオシムサッカーは察知力とよくマッチすると。俊輔の考える「日本サッカーが世界に勝つためにどうすればいいか」ということとオシムのサッカーは似ていたと。それは「試合の空気を読んで、敵やチームメイトの動きを察知して、連動しながら動いてしっかり走るサッカー」であると。今の俊輔みても代表でもよく走ってるし、これは非常に納得がいく。
一般向けの新書なんで、そんなにサッカーの専門的な記述はなくて、精神論や気構えの話も多いけど、口述と考えても分かりやすく丁寧に客観的に説明しようという姿勢がよく出てる。試合後のインタビューでも、わりと第三者的に試合を論評する感じだけど、これを読むと存外指導者向きかもなぁと思う。身体が大きくなくてもストイックにサッカーを極めていくにはどうすればいいかってことは、これからの日本サッカーにぜひ還元してもらいたいね。



